何世紀にもわたって、チンクエテッレの村々をつないでいたのは小道だけでした。過去、この地の真の経済資源は、漁業と農業でしたが、ぶどう畑や野菜畑へ行くにも、小道を歩いていくのが唯一の手段でした。今日でもなお、チンクエテッレの神髄を深く知り、その美しさを理解し、同時に人間による建造物が自然と完璧に融合した景観という遺産の価値を認識するには、これらの小道(遊歩道)を歩く以外にはありません。
高名な学者が研究を行った結果、1980年現在でチンクエテッレ全土に現存する空積みの石垣に使われている石の量は、万里の長城の建設に使われている石より多かったことが判明しています。
当地では何世紀にも亘り、人間が海から惜しむようにして貴重な土地を手に入れ、領域を石で守り、利用してきたのです。
遊歩道No.2 「青の遊歩道」
コース
チンクエテッレの5つの村を全てつなぐもので、最も人気のある遊歩道です(リオマッジョーレからマナローラまでの部分は「愛の小道」と呼ばれています)。最初から最後まで歩くには何時間もかかりますが、地中海らしい断崖絶壁、草木の香り、重厚な岩、小さな洞窟など、またとないパノラマが次々と現れるので、疲れも癒されます。急がずにゆったりと楽しんでください。所々の村で休憩を取り、地元産のワインで郷土料理の軽食を取りながら、幾つかの部分に分けて歩くことをお奨めします。
備考: この遊歩道を歩くには通行料(3 €)がかかります。
出発点: リオマッジョーレ 到着点: モンテロッソ
所要時間: 5時間 距離: 11 km 難易度: 低
聖地の小道
コース
かつてチンクエテッレでは、漁業と同じくらい農業が盛んでした。そのため、聖地の小道(各村に1つずつ、全部で5つの聖地)が、昔の起源を語るごとく、山々の頂を通りながら展開しているのも不思議ではありません。
このコースは次の聖地を通ります:
ソヴィオーレの聖母マリアの聖地(Nostra Signora di Soviore) - モンテロッソ
レッジョの聖母マリアの聖地(Nostra Signora di Reggio) - ヴェルナッツァ
恵みの聖母マリアと聖ベルナルディーノの聖地(Nostra Signora delle Grazie e di S. Bernardino) - コルニリア
救済の聖母マリアの聖地(Nostra Signora della Salute) - マナローラ
モンテネーロの聖母マリアの聖地(Nostra Signora di Montenero) – リオマッジョーレ
出発点: モンテロッソ 到着点: リオマッジョーレ
所要時間: 6時間 距離: 12 km 難易度: 中
遊歩道 No.1 「チンクエテッレの高みの遊歩道」
コース
海岸側と内陸部側を分ける尾根に沿って展開する遊歩道で、スポーツ愛好家たちに人気のある特別級の「チンクエテッレの遊歩道」です。決して楽ではありませんが、やる気さえあれば誰でも歩けるコースです。踏破する自信がなければ、見晴しの良い部分を選んで、コースの一部だけを歩いてみるのもよいでしょう。チンクエテッレの各村へ降りるいろいろな小道がありますので、組み合わせてハイキングすることができます。
備考: この遊歩道の出発点はポルトヴェーネレとなっていますが、上り坂が緩やかなレヴァント側から歩き始めることをお奨めします。
出発点: ポルトヴェーネレ 到着点: レヴァント
所要時間: 10時間 距離: 全長 40 km (チンクエテッレ地区の距離 20 Kk) 難易度: 中